11. 予算
システム化の予算を想定することは難しいですが、どのような費用がかかるのかを把握しておくのは大切なことです
IT化の経験がない中小企業などでは、なかなかシステム全体の費用を想定することは難しいため、予算の提示せずに提案を求めるのも方法の一つです。
仮に、あらかじめ年度予算などで投資を予定している金額があれば記載することも考慮すべきと思います。
予算を提示するメリットとしては、
- 複数のシステム開発業者に依頼する場合、同じベースで内容を比較することができる
- 投資できる現実的な提案を求めることができる
デメリットとしては、
- システム化の内容や構築方法の制限となってしまい、ベストな提案が受けられない可能性がある
- 求めるシステムの適正な価格がわからないため、提案してもらえないケースになる場合もある
RFPの目的は、システム化の内容を提案していただくことに加えて、見積を提示してもらうことです。
予算が提示をしない場合でも、見積の項目をある程度細分化して記載していただくことで、比較検討しやすい提案を求めることができます。
以下の表に費用項目の例を記載します。
システム化にともないかかるコストの例
■初期費用
ハードウェア関連 |
・サーバー設置費用(周辺機器や機材を含む) ・パソコン ・ネットワーク機器 |
ソフトウェア関連 | ・サーバー構築費用 ・開発ツールのライセンス費用 |
システム開発費用 | ・システム設計費 ・システム開発費 ・テスト費用 |
その他 | ・データ移行 ・研修/講習(操作教育など) |
■ランニングコストの例
ハードウェア関連 | ・サーバー保守 ・パソコン保守 ・ネットワーク機器保守 |
ソフトウェア関連 | ・OSバージョンアップ費用 ・ツール/データベースのライセンス費用 |
システム開発費用 | ・プログラム保守 ・有償での改修/追加開発 |
その他 | ・インターネット利用に関する費用 ・ヘルプディスクの運用 |
見落としがちなのが、ランニングコストの部分になります。
仮に、RFPに記載しない場合でも、社内検討の段階で、初期費用/ランニングコストの大枠での概算予算を検討しておくことをお勧めします。
4章 予算
■初期開発費 データ移行やサーバー構築などを含めて 400万円程度の予算で検討中
■ランニングコスト 月額費用として約3万円程度
IT部門をもたない中小企業では、ハードウェアの保守やライセンスなどの更新処理、新入社員へのシステム操作の教育などシステム開発会社にアウトソース(外部に委託)することも考慮に入れて見積を依頼してみては如何でしょうか。
次の章では、システム開発の期間(スケジュール)について記載いたします。