6. RFPの内容(業務の流れ)
業務の流れでは、「現状の業務運用」や問題点、改善点について記載します
2.1 業務の流れ
システム化を対象とした業務の流れを記載します。
第1章 システム化の目的 で記載したサンプルに沿って、実際の業務の流れを記載してみます。
1章.システム化の目的
弊社は、住宅建材の卸売業を営んでいる商社です。
現在、FAXで契約販売店からのオーダーを受領し、それを営業担当がEXCELの表に入力し、オーダー管理をしています。これらの業務をシステム化することで残業時間の削減とトラブル防止、お客様サービスの向上を図りたいと思っています。
仮の想定になりますが、業務の流れをを文章にすると、以下のような手順になります。
2章.現状
2.1 業務の流れ
現在、契約販売店からの注文の流れは以下のような流れで実施しています。
①契約販売店からFAXで注文書を受領する。
②受領した注文書は、業務部担当者がEXCELの管理票に入力
③もし、注文書の金額が与信限度額(これは別途台帳で管理)を超える場合には、稟議書を作成し、営業部に回す
④注文内容を確認し、納期、請求日を入力し注文請書を作成
⑤注文請書を契約販売店にFAXで送付
⑥納品完了
⑦納品書、請求書をEXCELから出力し、経理へ回す
⑧経理で、注文請書と納品/請求書の突合せを行い経理システムに売掛金計上の登録をする
⑨納品書・請求書を経理から契約販売店へ送付
⑩販売店からの入金を確認し、経理システムに売上登録をする
これを図式化したものが下図になります。
縦軸に、相手先(契約販売店)や自社内の部署など関連する組織や人を配置し、それぞれの業務がどう連携しているのか、縦に流れを整理して記載しています。
関連部署との関係性を整理するうえで、このように図式化してみることをお勧めします。
もうひとつ書き加えてほしいのが、改善点・問題点になります。
自部門だけでなく、関連する部署や担当者などにヒアリグをしながら作成してください。
現在、おこっている問題点/考えられる改善点などを、仮に挙げてみます。
問題点/改善点
- 注文書入力のための残業が多くなっている
- 入力ミスで販売店とのトラブルに発生するケースもある。
- 入力漏れがあったため、いつまでたっても納品されないなどのクレームが発生した。
- 与信限度額をチェックする際、台帳から発注残を探さなければならないため手間がかかっている
- 営業部からの稟議書の戻りが遅いため、販売店からの催促に対応しなければならない
- 納品確認は営業部との口頭でのやりとりになっていて書類関連が整備されていない
- 納品書/請求書作成業務は経理部門に担当してもらいたい
- 経理部門では、注文書と納品書/請求書の突合せ処理に手間がかかっている
それぞれの改善点に対して、当初の目的と比較検討してみることで、システム化により解決できそうなところ、もっと状況を把握すべきところ、システム化以外で解説すべきもの などはっきりとしてくると思います。
ここで記載している、問題点/改善点が、RFPにおける「システム要件(要求)」に近いものになります。
システム担当の方であれば、これらの問題のうちシステム化の要件になるものだけを記載するところですが、
現状をそのまま記載し、不明確な部分は開発業者さんとのヒアリングの中で埋めていってもらうと考えて、お任せするという方法をとることもできます。
次の章では、社内の人の役割についてみていきます。