3. RFPに何を書くのか
システム部門などのIT専門家ではなく、経営者や実際の業務をおこなっているマネージャーの方がRFPを作成することを想定しています
RFPに何を書くのか
この章では、RFPにどのようなことを記載すれば良いのかについてご説明していきます。
- 目的(何をしたいか)
- 現状(改善・問題点)
- 短期または長期の事業計画などの変化予想
- 予算
- 期間
大きくはこの5つについて記載していきます。
初めにお話したように、このコラムでは、システム部門などのIT専門家ではなく、経営者や実際の業務をおこなっているマネージャーの方がRFPを作成することを想定しています。
ですので、一般に大手企業が作成したRFPに記載されているような
「検索条件画面から結果が表示されるまで3秒以内であること」
「画面遷移の深さは2レベル以上深くならないこと」
など細かな技術的な要求については、踏む込まずに全体が記載できるような章立てにしていこうと思っています。
なんだか、専門の方々からは叱られそうですが、まずは一度作成してみることが目標なのでご了承ください。
このあたりに踏み込んでしまうと、最新の技術動向を調べたり、他社の導入事例を調査したりと専門分野外の知識を勉強しなければならないため、どうしても作成者側の負担が大きくなります。
その代わり、少し大変ですが、現状についてはしっかりと伝えられるような構成にしています。
こうすることで、改善提案や技術的な最適解はシステム開発業者さんが提案してくれると思います。
上図は、契約後、システム開発が始まった以降の大まかな流れを示しています。
RFPで提案された内容を元に、打ち合わせを行なうのが「要件定義」といわれる作業です。
この要件定義では、機能ごとの詳細についてユーザー側と開発者側が双方で打ち合わせを重ねます。
RFPをしっかりと作ることで、あらかじめ自社の業務内容や運用イメージを共有したうえで要件定義に入ることができますので、このフェーズの負担を軽減することにもなります。
また、RFPを作成することは、自社の業務がどのように行われているか、個別の業務内容や部門をまたがった運用を見直しをする良い機会でもあります。
本コラムでは章立ての中で、システム化を前提に現状分析するべき項目などにも触れていきますので、仮説でもかまいませんので、何かターゲットを設定し自習しながら進めてみてください。
次の章から具体的なRFPの記載内容について、話を進めていきたいと思います。