VP(Value Position)顧客価値から、サービスを考える
CRM活用のヒント
- トップページ
- ITコンサルティング
- CRM活用のヒント
- VP(Value Position)顧客価値から、サービスを考える
中小企業では、製薬会社が化粧品を販売したり、タバコ会社が飲料水の分野に進出したり、そんな大きな企業改革はなかなかできるものではありません。
でも、小さな企業だから気づく点、できる取り組みはたくさんあると思っています。
-大きなイノベーションは無理でも、小さな変化を繰り返すことで、競争力や販売力を強める。
そんな仕組みをつくるヒントになりそうな事例をいくつかご紹介します。
それぞれ、サービス/商材も違いますし、お客様へのアプローチの方法も異なっていますが、お客様のニーズに合わせて、サービスを展開している事例です。
「朝専用コーナー」を設置して、より商品を買いやすくする
あるスーパーに「朝専用コーナー」が設けられて話題になりました。
このコーナーには、朝食の材料として使える食材(調味料も含めて)がまとめて陳列してあります。
朝はパンと果物、というお客様でも、卵・ハムが隣にあれば、「たまには、ハムエッグでも付けようかな」という気分にもなります。
ここに並べる商品は、一回の購入履歴(レシート単位)をもとに、朝食を作る材料として購入されたと思われる食材を調査して、コーナーにまとめて陳列しているそうです。
レシートの情報はPOSデータ(レジの記録)として管理されていますが、
「朝食を作る材料として購入したと思われる食材」 これをレシートの中身から推測するのは、人(売り場担当者やレジ担当者)の力。 日々の現場での感覚、主婦としての知識が重要になります。
このように、商品の分類ごとに陳列するのではなく、、ひと工夫加えて、「一回の購入単位」を考えて品揃えした商品を配置することで、商品も勧めやすく、訴求もしやすくなります。
データでの分析に加えて、現場感覚、アップセルなどの販売促進も視野にいれて、お客様のニーズを考慮した取り組みを実践してみてください。
患者さんのライフスタイルにあわせた治療方法を提案する
私の通っている歯医者さんは、 「長期間の通院は可能ですが? 短期間で終了したいですか?」
のヒアリングを行い、患者さんのライフスタイルに合わせて治療回数/方法をアレンジしてくれます。
短期間のお客様は、一回の治療時間は長くなりますが、その分通う回数を減らすことができます。
私の場合は、できるだけ通院回数を減らしてほしいと思いますが、高齢者の場合、回数は増えても一回の治療時間を短くしていただくことで、体力的な負担を軽減することができます。
歯を綺麗にする目的はひとつでも、患者さんそれぞれに生活環境や体力などが違いますから、患者さんの無理が無いように配慮してくれるこの試みはとてもありがたいものです。
商品を購入していただくお客様にも、様々なライフスタイルがあります。
一度、お客様の時間の概念に着目してサービスを考えてみましょう。
・配送サービス ・予約サービス ・出張サービス
などを、既存のサービスと組み合わせることで、お客様に嬉しいサービスを提供できるかも知れません。
毎月定期的におすすめの本を配送してくれるサービス
以前は、書店まで足を運んで新刊をチェックして読みたい本を探していましたが、現在は、アマゾンでの購入に加えて、ある特定分野のおすすめの書籍を自動的に配送してくれるをサービスを利用しています。
このサービスは、毎月定額料金制で、もし届いた本が気に入らない場合は30日以内であれば返品可能(その月はチャージなし)にすることができます。
アマゾンでも、購入履歴から、メルマガで「あなたへのおすすめ商品」が配信されたり、サイトでは「この商品を見たお客様はこれも見ています 」 などのサービスはありますが、まさにこれのプッシュ型のサービス。
ある程度の量の書籍を読みたい人をターゲットに、こうしたサービスで読書意欲をおぎなう方法もあります。
アマゾンがこれを始めたら強いなぁーと、ひそかに思っていますが、法的に流通書籍の販売にこの事例が適用できるかまでは調べていません。(多分、規制等があるのかも知れません)
(※ご紹介したサービスは、提供している出版会社が版権を所有している一般には流通していない本に限って販売されています)
こうした定期購入や会員制度が活用できれば、これまで、年度の始めにゼロの状態からの販売スタートが、会員数分の売上を確保したスタートができますから、積極的に取り組みたいサービスです。
同じサービスを提供するのでも、お客様ひとりひとりによって、ニーズや不安などが異なるものです。
こうしたニーズや不安を解決していくことで、CS(顧客満足度)向上や販売力強化を図ることができます。
これを機会に、一度それぞれの事例に合わせて自社の商品/サービスを考えてみてください。
- なぜ、顧客管理システムは定着しないのか
- お客様はどう思っていますか?
- CRMをマーケティングに活用するには
- 業務マニュアルを作成・活用していますか
- CS-顧客満足度をあげるために、表層機能を活用しよう
- マーケティングとセールスの連動の仕組みはできていますか
- お客様の背中を押すしくみ 中小企業でもできるマーケティングのヒント
- 名刺を個人の所有物から企業の資産に
- VP(Value Position)顧客価値から、サービスを考える
- CRMとSFA どう違う、どう使う
- CRMシステム、定着のためにも「新規顧客獲得数」に着目しましょう
- DMでも「ABテスト」を実施して反応率をあげよう
- DMを実施するために設けるべき4つの基本
- お客様との関係における問題点チェックリスト
- CRM導入の目的も大きく変わってきています
- CRMシステムの導入を検討し始めたら、まずやっておきたいこと
- CRMを活用して抑えるべき数値を考える