売上アップをめざした IT化
業種、業態によって売上アップに対するIT化ではさまざまなアプローチがおこなわれます。
お客様へのサービスの向上やスピードアップ、利便性の改善など、自社の商品/販売サイクルなどにあった対応法を見つけ出していきます。
いくつかの事例で、アプローチのヒントをご紹介します。
■納品までのタイムラグを改善する
例えば、見積もり作業に3日かかる。商品によっては、発注から納品までの時間が極端に長くなってしまう。こうした状況であれば、運用を見直すとともに、IT化によってスピードアップを図ることができることがあります。
- 納品日を考慮し、分納体制を構築する
- 専門家でなくても見積が作成できるように、そのロジックをシステムで実現する
- 見積の現場で在庫数を把握し、その場で発注できるような体制をつくる
このような改善は、運用を複雑化することは確かです。
ただ、システム化を適切に行うことで、こうした作業や処理の複雑化を補いより正確に業務を遂行することができるようになります。
■販売経路の多様化
店頭販売だけであった売り方を、業者への卸販売、契約販売店網の構築やインターネットを活用して直接消費者からの購入経路を作るなど、販売経路を多様化することで売上アップを図ることができます。この場合、扱う商品は同じであっても販売先により、決済期日(翌月末の入金や現金払い)、決済方法(口座引き落としやネット決済)など、決済方法だけをとっても、お客様ごとの利便性を考えると、様々な種類の対応が必要になります。
こうした施策を検討する場合、必ずシステム化を年頭におきながら、どのような仕組み/制度を作るかを考えておくと、大きな混乱やシステムの大規模化を防ぐことができるようになります。
例えば、決済期日は月初と月末の2種類とし、決済方法は口座引き落としと現金集金の2種類に対応し、売上50万円以上は口座引き落としのみのルールを作る。のように、ある程度の制約とルールを決めておくことがシステム化には重要なことになります。あまり複雑なルールは、システム化が難しくなる分、開発費用も高くなってきますので、お客様サービスとの兼ね合いを図りながら決定していきます。
■取扱い商品を増やす
弊社のクライアントの工務店さんでは、新築の建築受注と合わせて、家具や雑貨を扱う部門を立ち上げ、インターネット上にショップをオープンし、同じお客様により多くの商品を購入いただくことにより、売上アップを図られています。
こうした、親和性の良い商品を開発し、クロスセル「他の商品などを併せて購入してもらうこと」も売上アップには効果的な手法になります。特にネットショップであれば、在庫を店頭に持たずに、モノによっては受注・発注により在庫リスクもなく始めることができる場合もあります。また、ネットショップを活用することで、営業スタッフを増員したり、無理な売り込みにならない分、お客様には好評のようです。
ネットショップや販売管理などのシステムは、クラウド環境やオープンソース、ASPサービスを活用することで比較的短期間に、安価で導入できる手法の一つになっています。中小企業にも大きなチャンスとして導入できる方法のひとつです。また、新規に始める分、システム化しやすい分野になります。
■売上単価をあげることで営業効率をあげる
関連する商品や、よりグレードの高い商品をお勧めする。こうしたアプローチで販売単価をアップすることができます。
ただ、こうした試みを営業担当まかせにしてしまうと、なかなか組織として浸透しない現実があります。
- 今、売れている商品
- キャンペーン情報
- 過去の購入履歴から、お勧めをピックアップ
こうした販売戦略を営業ツールとして導入することで、営業力をアップすることができるようになります。
新人の営業担当であっても、確実に実績が残せるように、社内の営業ノウハウをIT化して導入することで即効性のある改善を実現することができます。